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第5回:「仕入れコストと日本販売価格のリアル」
** はじめに:古着仕入れで本当に儲かるのか?
タイで1着300円で仕入れたTシャツが、日本で3,000円で売れたとしたら?一見すごく儲かりそうですが、実際は「仕入れコスト+運送費+人件費+販売手数料」などがかかってきます。今回は、リアルな利益シミュレーションを通じて、仕入れと販売の構造を明らかにします。
** タイ仕入れの平均コスト感覚
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古着Tシャツ:1着 80〜150バーツ(約350〜650円)
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軍物・アウター:1着 200〜400バーツ(約800〜1600円)
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キロ買い(まとめ売り):1kg 約50〜80バーツ(約250〜400円)
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仕入れ現地交通費・滞在費(目安):往復航空券5万円、宿泊費1泊2000円〜
例:Tシャツ20枚、ジャケット10枚、合計30枚を仕入れる場合
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商品仕入れ費用:約22,000円
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滞在・交通費(日程により変動):約60,000円
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総計:約82,000円(1枚あたり約2,733円)
** 日本での販売価格レンジ
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古着Tシャツ:1,500〜3,500円
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ブランドスウェット:3,000〜6,000円
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アウター:4,000〜10,000円
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一点物/ハイブランド:1万円以上も可
** 手数料・販管費を考慮した利益シミュレーション
販売にかかる費用(メルカリ例)
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出品手数料:10%(例:3000円の商品→300円)
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発送料(ネコポス等):200〜500円
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梱包材・人件費など:100〜200円
→ 合計コスト:600〜1000円程度/1商品
** ケーススタディ:1枚のTシャツが売れるまで
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仕入れ原価:400円
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販売価格:3,000円
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販売手数料:300円
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発送料+梱包:400円
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利益:3,000 − 400 − 300 − 400 = 1,900円
→ 1着あたり約1,900円の利益、利益率63%程度
** “失敗しない”仕入れの見極めポイント
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日本での相場を事前に調査(メルカリ、ヤフオク等)
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需要が高く、回転の早いジャンルを優先(スウェット、デニム、バンドT)
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状態が良い/洗濯や修理が不要な商品を選ぶ
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日本で再販しやすいサイズ感・ブランドを把握しておく
** まとめ:利益は“選ぶ力”と“売る力”のバランスで決まる
仕入れ価格が安くても、売れなければ意味がありません。重要なのは、「仕入れ時点での見極め」と「販売チャネルでの売り方」。この2つがしっかりしていれば、小ロットでも十分な利益を出すことが可能です。
** 次回予告:「タイ仕入れは“宝探し”だ!一点物を見極める眼力とは?」
次回は、仕入れの現場でどんな古着に価値があるのか?埋もれた一点物やブランド古着を見つける“眼力”の鍛え方についてご紹介します。